現在では、事務所等の人員が常駐するオフィスビルや工場、研究施設内等での転倒防止対策の意識が高まり、背の高いキャビネットや倉庫内の棚等の什器を壁面に固定している事業所が増えています。
事業所等で使用している什器類に耐震工事を行う事は、そこで就業している人員の安全を確保する上で、とても効果のある物だと考えています。その事は建築基準法や消防法でも、事業所の責任者に様々な防災対策を課している点からも窺えます。
什器類の耐震工事の主流は、壁面への固定や天繋ぎ(棚と棚を上部で連結)といった方法が一般的です。 殆どの什器類はこの方法で十分効果がありますが、什器類の背面に壁がない(フロアーの中央に書架等を設置している)場合や、対処する什器の上部に固定する為の補強が施されていない場合等は床で固定する方法が最適です。 一部では什器同士を横連結して連増しする事で転倒を防止する考え方がありますが、それでは不十分です。 |
阪神淡路大震災の際には後列5台、前列4台、計9台の一体式書架がカーペットの上を5m以上も横に移動した事例が報告されています。壁面で固定できない書架等は横連結の他に床面での固定を薦めます。
各事業所の中には耐震対策から除外されている什器がある事があります。
主には大型複写機、飲料器(置き型で上部にタンク設置)、パーティション、連結デスク等です。これらの什器は大震災が発生した際には事業所の中を横へ動き、人員を危険にさらし、避難通路を塞いでしまう危険性があります。
最近では研究施設内部の計測機器本体やその土台になる什器、工場内の加工機器、生産ラインに欠かせないローラー設備の脚部の固定等の需要も高まっております。
記述の点から今後想定されている大震災時に就業人員の保護は基より、事業所の資産である什器類の損傷を最小限に食い止める為に、壁面への固定と併せて、床面での固定をする必要性を感じています。 |